ネルソン・マンデラ

小雨の降るニューヨーク。今日の国連旗は半旗。ネルソン・マンデラ氏逝去への弔意を示すためであるのは言うまでもない。人類社会は時として歴史や人間の精神的進歩をもたらす偉人を生み出す。マンデラ氏は間違いなくそのような偉人の一人だった。オバマ大統…

近況報告

去年の8月からブログを更新していなかったので、どうしたのですか、大丈夫ですか、仕事やめたのですか、とのメールまでいただく始末。政策部長からアジア・中東部長に異動してからというもの、ともかく忙しかったというのが言い訳です。勤務時間中のスケジ…

自然の恵み

スウェーデンでは昨冬は暖冬だったそうだ。そのせいなのか、今年は我が家の庭の様々な木は見事な花を咲かせたという。ライラックの木に始まり、サクラ、キングサリ、ハナカイドウ、シャクナゲやツツジ、ボタン。そして今も咲いているつるバラに、いろいろな…

異動

本日付けで政策部長から、同じPKO局内のアジア中東部長に異動することになった。異動の打診があったのは6月末、上級部長(D2)以上は事務総長承認が必要となるので手続きを経て本日発令された。 アジア中東部長のポストが空席となってすぐ、PKO局長より話…

Slaughter vs. Sandberg

「スローター対サンドバーグ」。法廷での争いではない。最近、アメリカのキャリア女性の間で大きな話題になっている、「果たして女性はキャリアも家庭も、すべてを手に入れることができるのか?」という論争だ。事の発端は、アトランティック誌の最新号に掲…

南スーダンに揚がる日の丸

国連旗のとなりの日の丸。ジュバの日本隊宿営地に揚がる日本の国旗である。長く国連に奉職した私にとって、わたしの国旗と国連旗がともに揚がる風景ほどうれしいものはない。 キガリからナイロビを経て、ジュバ入りした。ナイロビでは、ソマリア関連の話とUN…

ルワンダの今日

前回ルワンダを訪れたのは1995年の終わりごろだったと思う。ジェノサイドから約1年たった頃だった。ザイール(現コンゴ)、タンザニア、ブルンジなどのルワンダの周辺国に約200万人もの難民が流出し、人道危機の最中であった。ルワンダ国内にはジェノサイド…

南スーダンと日本の安全保障

娘たちは今年最後のスキー教室に行き、夫は午後遅くに出張中のタンザニアから戻る予定。娘たちのお弁当用に、餃子、ミートボールなどを大量に作って冷凍し、コンピュータに向かう。ずっとのびのびになっていたが、自衛隊の南スーダン派遣のことを書いてみた…

ソーシャルメディア デビュー

国連広報センター所長の山下真理さんからメールをもらい、内閣府国際平和協力本部事務局が2012年1月19日に開催した第3回国際平和協力シンポジウムに送ったビデオメッセージを広報センターのユーチューブにアップしたとのこと。記念すべき、私のソーシャルメ…

エジプト出張

エジプトを訪問するのは今回が初めてだ。PKOに関する国際会議に出席するため、上司である事務次長と一緒だったはずが、シリア情勢の緊迫に伴い、当日の朝になって事務次長は参加をキャンセルすることになった。それで、急遽会議での基調講演を事務次長にかわ…

ある日曜日

娘たちは朝早くから学校のスキー教室、夫も昼過ぎからジムに行ったので久々に一人で静かに午後を過ごす。お茶を沸かしてTVの前に座る。シリアの決議案はロシアと中国の拒否権によって葬り去られ、廃案となった。西欧諸国やアラブ諸国からは非難の声があがる…

シリア情勢と日本の国内政治

シリア情勢が緊迫している。安保理ではここ数日、モロッコが提出した決議案の交渉駆け引きが続き、各国のメディアの報道も加熱している。アラブ連盟が求めるアサド大統領からの政権移譲を、安保理が支援できるか。リビアでのNATO軍事行動の結末としての政権…

ジョージタウンの学生たちと

ワシントンDCにあるジョージタウン大学大学院の学生たちがNYを訪問し、アメリカ国連代表部の会議室で次席大使をホストにして国連に関するキャリアフォーラムの会合が開かれ、私もパネリストとして参加した。ジョージタウンは私の母校であるが、このNYプログ…

2012年

2012年あけましておめでとうございます。気がつくとすでに1月も半ばを過ぎ、忙しく走り回っている。国連総会PKO特別委員会が2月に始まるので、私は毎年1月2月はとても忙しい。正月三が日はお休みを頂き、しかも今年は旅行もせずに家族でメいっぱい日本の「伝…

2011年を振り返って

気がつくと6ヶ月間、ブログを書く暇もなくあっという間に過ぎてしまった。今年7月以降、PKO局長の交代があったり、夏以降は出張が重なったりで本当に忙しかった。今年訪ねた国々はインドネシア、インド、マレーシア、コンゴ、リベリア、ガーナ、コートジボワ…

コンゴ番外編 女性パイロット万歳!

コンゴ出張の番外編である。今回の出張中、いくつものフライトを経験したがそのうちの4回が女性パイロットたちのフライトであった。キンチャサからキセンガニ・エンテベ便、エンテベからブカブ便、そしてキワンジャ基地訪問の際の軍用ヘリのパイロットは南…

コンゴ出張総括

昨夜、ゴマから再び1日かけてキンチャサに戻り、1泊。昨夜はMONUSCOの官房長を務める友人と夕食をとった。彼はスウェーデン人で奥さんはUNHCRに勤めるノルウェー人。家族ぐるみでの長年の付き合いをしている。彼も、また単身赴任である。この…

コンゴNo.5 キワンジャ基地訪問

今日はゴマから国連の軍用ヘリにのり約30分のところにあるキワンジャ基地を視察。ここで市民の保護活動の詳細を見る。ジャングルの中の基地には花がきれいに咲いていた。インドから種を取り寄せ、まいてみると何の手入れもなしにぐんぐん育ちきれいな花を…

コンゴNo.4 ゴマ

北キヴの重要な街であるゴマはルワンダとの国境の街である。1990年代半ばのルワンダ難民危機では100万人もの難民が、ルワンダ側のギセニから国境を越えて押し寄せた。活火山であるニアラゴンゴ山が数年に1度噴出す黒い溶岩のおかげで土地は肥沃であ…

コンゴNo.3 カレヘ基地

昨夜はブカブのMONUSCO南キヴ旅団基地(パキスタン軍)でブリーフを受けた後、夕食をご馳走になった。パキスタン国内での軍はビンラディン殺害後、不安定要素を抱えているが、ここでは皆、国連PKO活動に貢献できることを誇りに思っているとのこと…

コンゴNo.2 ブカブ

昨日首都キンチャサから東部のブカブに移動。コンゴは西ヨーロッパ全体くらいの広大な国なので、国連機を乗り継いで1日がかりの移動となった。まずキンチャサから中央部にあるキセンガニ、そこで給油した後いったんウガンダのエンテベに飛び、さらに飛行機…

コンゴNo1 キンチャサ到着

昨日南アからの直行便でコンゴの首都キンチャサ入りする。今回のコンゴ出張は、PKOにおける命令指揮系統の評価のため。わが部局ではPKO局とフィールド支援局の両事務次長の要請を受けて、1年かけてPKO活動における命令指揮系統の精査をしている。…

高校模擬国連大会(グローバルクラスルーム)

再び超多忙の1週間であった。第5委員会(予算)が始まったことが大きいが、昼間は様々な会議が続き、夜書類を持ち帰る日が続く。おまけに夫が1週間、イスタンブールに出張していたので、(当然だが)子供の世話も。6年生と1年生だが、宿題の手伝い(と…

歴史とリーダーの役割と、普通の日本人の力

危機にあっての日本の底力について五百旗頭先生のコラムがいつものことながら、とてもよかった。 http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/ こういう形で歴史を振り返り学ぶのは実に良いことだ。こういう過去の教訓は私たちに勇気を与え前に向かって…

模擬国連の学生たち

国連本部では毎年、世界からの大学生を集めて模擬国連会議を行う。今年も、日本から学生たちの派遣団がやってきた。もう25年以上前になるが、まだ大学生だった頃、この模擬国連活動を日本で始めたメンバーの一人でもあるので、なるべく都合をつけて日本か…

緒方先生のメッセージ

今日は仕事が終わった後、ワシントンDCに向かうアムトラックに飛び乗りこれを書いている。明日16日(土曜日)、世界銀行での閣僚級会議に出席せよとの上司の命だ。その後、世銀の関係者とリビアについての非公式協議をする予定。 大震災からの復興と世界と…

「何があっても大丈夫な国が世界にひとつあるとしたら、それは日本だ」

これは私の言葉ではない。3月11日から今まで、たくさんの国の人たちが私に言ってくれた言葉だ。 2月から本当に忙しかった。出張が重なったり、大きな会議(国連総会PKO特別委員会)の責任者であったため時には深夜まで仕事があったり。大震災の日は、この…

NATO本部より

3日前からブルッセルに出張できている。昨日・今日の2日間、NATO本部とスタッフ・トーク(司令部対話?それとも幕僚会議とでも訳すのだろうか?)のためNYの国連本部から20名弱の国連職員(文民・軍人の両方)を率いてやってきたのだ。NATO側からは事務…

2011年 「勇気」の年

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。あっという間に日本での帰国休暇は終わりを告げ、NYへ帰る飛行機の中。七五三の後、年末から元旦にかけて神奈川の実家で過ごし、あわただしく正月2日の飛行機に乗った。年老いた両…

師走の七五三

東京に戻り、ひと月遅れで下の娘の七歳のお祝いをする。11月にNYでやっても良かったのだが、やはり日本で神社にお参りもと思ったのだ。上の娘が7歳のときに着たブルーの着物の寸法を直してもらい、下の娘にも着付けてもらった。一生に一度のことなので奮発…