緒方先生のメッセージ

 今日は仕事が終わった後、ワシントンDCに向かうアムトラックに飛び乗りこれを書いている。明日16日(土曜日)、世界銀行での閣僚級会議に出席せよとの上司の命だ。その後、世銀の関係者とリビアについての非公式協議をする予定。

 大震災からの復興と世界とのつながりについて、前回私が書いたのと同じ様なことを緒方貞子JICA理事長が毎日新聞のインタビューでおっしゃっていた。http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110415dde012040031000c.html
彼女は私の長年の師であるから、私が緒方先生と同じような考え方をするのは当然といえば当然なのだが。リーダーシップに関することもそのとおり。一生懸命なだけではリーダーではない。「危機管理マニュアル」にない、想定外の事態において的確な決断を迅速に下すのがリーダーの仕事。ちなみに、「危機管理マニュアル」というのはそもそも矛盾した言葉だと思う。想定外の、マニュアルにない事態に対応するのが「危機管理」なのだから。

 同じ毎日新聞の西川恵さんの記事。http://mainichi.jp/select/opinion/nishikawa/news/20110415ddm004070190000c.html
ODAについての西川さんの説に私も賛成だ。日本は今なんでも自粛(そろそろ自粛をやめないと、日本経済全体が縮小してしまうと思うのだが)、すべての努力を震災復興へ向けつつある。もちろん、復興へむけた最大の努力が必要なのは当然だが、10年、20年後、50年後の日本についても考えておかなければならないことも事実。短期的な集中課題と中・長期的な国家戦略の両方をともに考えることもまた、リーダーの必要な資質だ。私は復興資金を捻出するために短期的にODAを削減することがどうしても必要であれば仕方がないことであるとは思っている。ただし!明確に期限を定め、何年後には再びODAを上昇に転じ、菅首相の名前で世界中の新聞広告に出した「絆」メッセージのとおりに、復興の暁にはより強く、より世界に貢献できる日本になることを国際公約としてはっきりと示すべきだ。

 ワシントンまで約3時間。これから明日の会議の資料を読み、発言要旨を考えなくては。