歴史とリーダーの役割と、普通の日本人の力

 危機にあっての日本の底力について五百旗頭先生のコラムがいつものことながら、とてもよかった。 http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/
こういう形で歴史を振り返り学ぶのは実に良いことだ。こういう過去の教訓は私たちに勇気を与え前に向かって進めてくれるから。毎月つい買ってしまい、読んだあといつもイヤーな気分になる『文芸春秋』にたくさん載っているような、「昔は良かった、戦前の日本に戻りましょう、西欧は堕落した悪です、グローバリゼーションは忘れて日本は日本だけでやっていきましょう、それが日本の‘品格’です」という無責任な保守・復古主義の視点とは全く異なる歴史観

 同じ毎日新聞論説委員、福本容子さんのコラム。http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20110429ddm004070209000c.html
前にも書いたけど、彼女は大学時代の友人。辛口でよい論説をいつも書いている。(ちなみに、毎日新聞は筋の通ったたくさんの署名記事を載せる実にまじめな新聞だと思う。だからあまり売れないのか?)彼女の言うとおり、大震災からの復興は大変な課題だが、今、世界は大きな変革のうねりの真っ只中にある。チュニジアから始まった民主化要求の動きは中東のみならずアフリカ大陸全体に広がりつつあるし、経済分野では一層のグローバリゼーションが進み経済連携協定締結の動きが活発化している。日本の「ガラパゴス化」は本当に心配だ。日本の将来の繁栄は、グローバリゼーションの波にうまく乗り国際社会での地位を保つことによってしかありえないのに。日本の政治屋(私は彼らを政治家とは呼べない)たちよ、内紛を直ちにやめ、団結して国難にあたれ!

 政治といえば、昨日からビンラディン殺害のニュースで持ちきりだ。ビンラディン一人殺害したところでテロ問題が解決するわけではないのだが、私はオバマ大統領のリーダーとしての資質に注目。ビンラディン攻撃の決断はオバマ自身が4月29日に下したという。その日彼は竜巻で大被害を受けたアラバマ州を訪問し被災者を励ました。翌30日は特派員協会での恒例晩餐会で、自らの出生をタネに会場を爆笑の渦に巻き込むジョークに富んだスピーチをしていた。そして5月1日の作戦中はホワイトハウスの危機管理室で作戦の一部始終を見守ったという。多くの課題に同時に取り組み常にクールを保つ。これがリーダーの役割。

 日本は多分いつの世も、レベルの低い政治屋たちにもかかわらず、強靭で優秀で道徳心に富む普通の日本人たちのおかげで繁栄してきた国だろう。それが見えるサイト。
http://fukkou-noroshi.jp/ 下の娘と日本人学校で一緒だったOさんが送ってくださった。釜石のご出身なのだそうだ。「一緒に悲しむことよりも、あなたの仕事を一生懸命やって欲しい。」この言葉に元気をもらい、私も自分の職場でがんばります。いつか、もっと大きな力で貢献できるようになるためにも。