ジョージタウンの学生たちと

ワシントンDCにあるジョージタウン大学大学院の学生たちがNYを訪問し、アメリカ国連代表部の会議室で次席大使をホストにして国連に関するキャリアフォーラムの会合が開かれ、私もパネリストとして参加した。ジョージタウンは私の母校であるが、このNYプログラムは私の在学中(20ウン年前!)から毎年続いてきたものである。私も在学中に参加し、ジョニー・ピコ事務次長補(当時、イタリア人)に話を聞いたのを今でも鮮明に記憶している。毎年依頼されていたのだが、これまでいつも出張が入ってしまい、今年初めて参加が実現。

私が参加した当時は20名程度の規模だったと記憶しているが、今年は総勢80名の学生たちがやってきた。みな、威勢が良い。ユニセフ、国連薬物犯罪事務所、アメリカ国連代表部の外交官、PKO局の私のパネルディスカッションの後、フロアーから質問が続く。その後、事前に大学によってアレンジされていたのだが、国連の安全保障分野でのキャリアに興味のある学生たちとランチをはさんでいろいろ雑談する。

引率の教授によれば、半数近くが留学生だったそうだが、グループが大きかったので日本人学生がいたかどうかはわからない。印象に残ったのは、「キャリアと家庭の両立」「女性として国連のキャリアはどうか」といった質問が一切なかったことだ。見たところ、グループのうち半数以上が女性だったと思うが。仕事の内容のサブスタンスや、国連に入るために磨いておくスキル・知識・研究内容にかかわる質問のみ。日本でこの手の会合に出席すると、「女性として」という点に質問が集中するのと実に対照的であった。

会合が終わってすぐに、数人の学生たちや引率の教授、大学院でキャリアアドバイスなどを担当するプログラムディレクターらからメールが次々と送られてくる。「名刺をください」と求められたときに、「これはメール攻勢をうけるな〜」と思ったのだがそのとおりになってしまった・・・教授からは特別講義の依頼、ディレクターからはジョージダウン大学が発行する「Careers in International Affairs」誌への執筆依頼、ある学生グループはインタビュービデオを録画し、ユーチューブに載せたいという。その他数名の学生たちから履歴書が送られてきてアドバイスを求められる・・・ただでさえ忙しいのに、あぁどうしよう。

フォーリンポリシー誌の大学のランキングでは、国際関係論分野でジョージタウンの大学院は世界でトップ、学部も世界第五位と評価されている。教授陣の充実に加えて、大学がかなり力を入れてこのようなキャリアフォーラムなどを開催していることも評価されているのかもしれない。母校の若い学生たちのパワーにやや圧倒された一日であった。