スウェーデン到着

昨日ベルリンから深夜スウェーデンに到着した。

空港でレンタカーをかりて、直接我が家の別荘に向かう。別荘はストックホルムから約40キロ東のスタヴスネスという陸沿いに行ける最後の村にある。湖のほとりにあって海からも近く、かなりの土地に母屋とゲストハウス、そして温室が建っている。上の娘が3歳になる前の夏に、私たちはこの別荘を買った。私たちのように国から国へと数年おきに転勤を繰り返す職業をしている家庭に育つ彼女には、いつも「帰っていく」家がどこかにあるのが重要だと思ったからだ。それ以来、どこに赴任していても、毎年夏は必ず3〜4週間はこの別荘で過ごすことにしている。ストックホルムに住んでいたときは、毎週末そして冬休みもここに来ていたけれど、国外に引っ越してからは冬をすごしたことはない。暖炉で家を暖め、クリスマスツリーを飾りキャンドルをともすスウェーデンの冬はムードはあるのだが何しろ、ものすごく寒くて暗い。うちの湖(この湖のほとりには、我が家とお隣さんの2軒しか家がないので、ほとんどプライベートレイクなのだ。)は冬はカチカチに凍って、天然のスケートリンクになる。極寒だった今年の冬は、4月の半ばまでこの湖は凍っていたと言う。

真夜中を過ぎて(と言っても夏は日が長いので夕方を過ぎたくらいの感じ)別荘に着いてまず驚いたのは、あたりの地面がからからに乾燥していることだ。なんと2ヶ月間、まったく雨が降っていないという。ふだんの年は青々している芝生も半分はかれて茶色くなり、湖のほとりの高台に生えているシンボルツリーともいえる白樺の葉が茶色く変色している。こんなことは初めてだ。2ヶ月間、気温も毎日30度近くだったといい、スウェーデンの夏としては間違いなく異常気象だろう。我が家の森にたくさん自生しているブルーベリーも、今年は実が極端に小さい。毎年夏休みの終わりに、このブルーベリーを半日かけて摘み、1年分のジャムを作るのが恒例になっているのに。

家の周りを歩いて見回ってから、1時すぎに就寝。母屋ではなく、2年前に立て替えたゲストハウスに一家で寝る。何しろこのゲストハウスは日本間なのだ。私の高校時代の友人の多羅尾さんと言う建築家に設計図を引いてもらい、この村に住む大工さんに建ててもらった。日本から畳や布団一式、和室における座椅子や卓袱台なども送った。日本に言ったこともない大工さんに建ててもらったにしては、よく出来たと思い家族で気に入っている。


布団を敷いて皆で4本の川の字になって寝る。しかし!白夜に近いスウェーデンの夜、私は朝の4時に目覚めてしまう。見栄えが良いので、この和室の床まで届く大きな窓にはストックホルムでオーダーした白っぽいブラインドをつけたのだ。ブラインドを通して差し込む朝4時の日差しは、すっかり昼間のものだった・・・