ザリガニ・パーティー

スウェーデンでは毎年8月になるとディルと一緒に塩でゆでたザリガニを食べるのが恒例だ。今日は朝から雨が降って肌寒かったが、スタヴスネス村のザリガニパーティーの日。ブライアン一家と参加する。夫の母も、さらに今日オスロから到着して数日滞在する一橋大学の宮地さんと娘さんも連れて行く。宮地さんとは、ずっと以前「国際協力を仕事として」(弥生書房)をともに執筆したさい知り合った。精神科医で今は一橋大学社会学部の教授をしている。

ザリガニパーティーは、村の小さな港に立てたれたテントでおこなわれる。こういうザリガニを一人10匹ぐらい食べ、アクアヴィットという強い蒸留酒をくいっと飲んでビールで口直しというのが本式。

ザリガニは、尻尾のところだけでなく頭のところもあけて脳みそとかをみなチューチュー吸っている。私は、えび・かに系にアレルギーがあるので3匹だけ(しかも尻尾のみ)食べて、お酒はフランスのロゼワインを1本持っていく。

近くにやはり別荘を持っているスウェーデン人夫妻の隣になり、色々と話をする。この国の人は皆英語を話すので外国人にはうれしい。スウェーデンの価値観や社会のシステムとか、男女平等の話とか(宮地さんはジェンダー平等の話をスウェーデン関係者から聴くために訪れている)、9月にある総選挙の予測とか。10分か15分おきくらいに、皆で色々な歌を歌うのがスウェーデン式のパーティー。要するに、お酒を飲むためのイッキ・コールみたいなドリンキング・ソングなのだが、テーブルに歌詞のブックレットが準備されている。そして、食べ終わった後はバンドの演奏する曲に合わせて何組かのカップルがダンスを踊っていた。うちの2人の娘たちは、タンゴもどきのダンス。楽しそうだった。

11時くらいにお開きになって、家に帰り着いたとたん、ものすごい雷雨が始まった。きっと停電するだろうと思って、あわてて懐中電灯を用意する。案の定、家の近くにも何回かおちてその都度ヒューズが飛び、とうとう数時間の停電。雷雨の始まる前に帰り着いてラッキーであった。