世界一美しい街

パリが「世界一美しい街」と呼ばれるのはもっともだという気がする。様々な建物や町並みが美しいだけでなく、フランスの生活文化が美しくぜいたくだと思う。今はまさにツーリストシーズン真最中で、いたるところに私たちのような旅行者が地図をかかえて歩き回っていて、ちょっと見ると世界のどの街とも同じ感じがするけれども、パリはNYとはやっぱり違うのだ。NYのビジネス第一、朝ごはんもコーヒーも道を歩きながらとるというアメリカ人たちに比べて、カフェに何時間も陣取ってコーヒーを飲み本を読んだりおしゃべりをするフランス人たちがここかしこに見られる。ソルボンヌ大学院に留学していた夫は、「フランス人の大学生ときたら、勉強なんかまったくしない。授業をさぼってカフェで議論と称したおしゃべりばっかりだったね」と批判的だが、私の早稲田大学での4年間も似たようなものだったから私はカフェ文化を擁護する。

昨日火曜日はルーブルを見学するつもりで直行したのだが、あいにく休館日だった。仕方がないので、しばらくルーブルの外のガラスのピラミッドのそばでのんびりする。

それからルーブルのかわりにオルセー美術館まで歩き、午前中は印象派の絵画を見学。上の娘は将来はアートを勉強したいといっているくせに、あまり興味なさそうに見学していた。

オルセーからノートルダム大聖堂に向かい、教会の中を見学したあと、カルティエラタンまで歩く。夫は本屋でリストを片手に何か探し物をしている。彼は凝り性のところがあって、目下ノーベル文学賞を受賞したすべての文学作品の読破に挑戦している。そういえば、最近まで大江健三郎の英訳を読んでいた。これまで106人がノーベル文学賞を受賞し、その内26作品読破したそうだ。私にはこういうことはまねできない・・・

セーヌ左岸で一番人気のCafé Les Deux Magotsでお昼。私と夫はシャンペンにサラダ。娘たちはキルシュ。下の娘は、こんなにおいしいものがあったのか!と感嘆して食べている。Caféにいる間にNYのオフィスより緊急のTEL。国連本部が大変なことになっているらしい。(詳しくはパリ番外編へ。)立て続けに電話が入り、結局カフェをでてリュクセンブルグ公園までを歩きながら50分電話で色々と私のすぐ下の部下と色々と電話協議する羽目になった。

午後いっぱい歩き回って夕方いったんホテルに帰り少し休んだあと、夜はまたディナーに出かける。

今日、水曜日は午前中ルーブルに。何回も来たことがあるのだがいつもモナリザ。今回も、ルーブル初めての娘たちのためにモナリザを見る。そしてルーブル見学は、いつか大きくなったら1週間費やしてね、と言い聞かせる。私自身すらまだやったことがないのだけれど。そして、実はルーブルはフランスが世界各地から「盗んできた」美術品を多く展示している博物館なのだけれど。

午後はエッフェル塔に上り、地下鉄でモンマルトルに向かう。モンマルトルの丘のレストランで夕食をとり、サクレ・クール教会を見学。古くは殉教者の丘、そして芸術家の街。丘からのパリの景観はありきたりだけどやっぱり美しかった。

明日は4時半に起きて早朝の飛行機でベルリンに向かう。